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幹細胞培養上清液の効果

再生医療の中でも、近年治療に用いられることが増えている幹細胞培養上清液について、その特徴や期待できる効果を C&G銀座クリニック監修のもと、詳しくわかりやすくご紹介します。

カインくん(「よくわかる幹細胞治療 ステムセル百科」レポーター)
カインくん

幹細胞培養上清液の効果について一緒に調べてみよう!

幹細胞培養上清液の特徴

幹細胞培養上清液の特徴の解説イラスト

幹細胞培養上清液とは、自分自身の幹細胞を採取・培養し、その培養液から幹細胞のみを取り出した後、滅菌処理などを行って得られた上清液(上澄み液)のことです。

こうして生成された幹細胞培養上清液には、幹細胞から分泌された数百種類にもおよぶ生理活性物質や成長因子が含まれており、幹細胞そのものを含まないものの、培養幹細胞治療と同等の効果が期待されています。

幹細胞培養上清液による治療と培養幹細胞治療との大きな違いは、治療に細胞本体が含まれているかどうかです。

培養幹細胞治療は、自分自身から幹細胞を採取、培養したものを再び体内に戻すという治療ですが、幹細胞培養上清液による治療は細胞本体は含まず、培養する際に分泌された生理活性物質や成長因子を豊富に含む上清液のみを投与し、体内にある再生能力の高い細胞にアプローチします。

そのため、培養幹細胞治療で懸念されている腫瘍化のリスクや拒否反応が起こらないこと、自分自身の幹細胞を採取する必要がないことなどが大きなメリットです。

幹細胞培養上清液の作用

幹細胞培養上清液がどのように効くのか
幹細胞培養上清液がどのように効くのか

幹細胞培養上清液に期待される主な作用はこちらです。

  • 細胞・神経修復作用
  • 抗炎症作用
  • 創傷治癒作用
  • 血管再生・血管新生作用
  • 活性酸素除去作用
  • 免疫調整作用
  • 体内の幹細胞分化促進

ただし幹細胞培養上清液には、数百種類もの生理活性物質が含まれているため、その作用は多岐にわたり、様々な医療分野で応用されています。
まずは含まれている成長因子の作用をそれぞれ確認していきます。

幹細胞培養上清液に含まれる成長因子

EGF(上皮増殖因子)

  • しみ・くすみ改善・ターンオーバー促進

皮膚の表面に近い部分に存在する細胞に働きかけ、肌のターンオーバーに関わる上皮細胞を増殖させる成長因子。この作用により、肌のコンディションを整えたり、ケガなどをした際の傷口の回復を促したりする効果が期待されています。

VEGF(血管内皮増殖因子)

  • 育毛・発毛

血管新生作用(新しい血管を作りだす作用)が期待されている成長因子。毛細血管の形成を促し、毛乳頭細胞への血行を改善します。この作用により、毛髪を育てる毛母細胞に栄養が行き渡り活性化。育毛や発毛の効果が期待されています。

TGF-β(トランスフォーミング増殖因子)

  • 抗炎症・創傷治癒

上皮細胞や血管内皮細胞に働きかけ、増殖や新生させる作用が期待されている成長因子。肌のハリや弾力に関わるコラーゲンやエラスチンの産生増加や、傷の治癒を促す作用も期待されています。

HGF(肝細胞増殖因子)

  • 組織再生

組織や臓器、神経細胞を保護・再生する作用が期待されている成長因子。血管新生の促進による血流改善、糖尿病治療への応用が期待されています。

KGF(ケラチノサイト増殖因子)

  • 育毛・発毛

毛母細胞成長因子ともよばれており、毛髪を育てる毛母細胞に働きかけて活性化させることで育毛や発毛を促すことが期待されています。

IGF(インスリン増殖因子)

  • 肌の弾力アップ・皮膚再生・育毛

新しい皮膚細胞の形成を促すことによるシワなどの肌トラブルのケア、育毛促進などに効果が期待されている成長因子。コラーゲンやエラスチンの産生増加の働きも期待されています。

PDGF(血小板由来増殖因子)

  • 細胞の増殖・細胞分裂促進

線維芽細胞(コラーゲンやエラスチンなどを作り出す細胞)の増殖や血管の修復・新生に関わる成長因子。コラーゲンやエラスチンの合成を促すことで肌のコンディションを整える効果が期待されています。

TIMP(MMP阻害因子)

  • しわ ・ 肌の劣化抑制

MMPとはコラーゲンなどを分解する酵素で、炎症の進展などに関わることが知られています。TIMPはMMPの働きを阻害することでしわなどの肌の老化を抑制することが期待されています。

FGF2(線維芽細胞増殖因子)

  • 皮膚老化抑制・コラーゲン産生促進

真皮層に働きかけ、コラーゲンやエラスチンなどを作り出す線維芽細胞を増殖させる作用が期待されている成長因子。創傷治癒や組織の再生、血管新生を促すことも期待されています。

IL-7(インターロイキン7)

  • 免疫系増強

免疫系で司令塔のような働きを担っているT細胞や、体を守るための抗体を作り出すB細胞を増殖させることが期待されている成長因子。これらの免疫細胞が活性化することにより、免疫系の増強が期待されます。

EPO(エリスロポエチン)

  • 赤血球の産生促進

骨髄中の幹細胞に作用し、赤血球への分化と増殖を促す成長因子。貧血などの診断指標としても用いられています。

TSG-6(抗炎症液性因子)

  • 抗炎症作用・軟骨保護作用

TSG-6は組織や器官に炎症が起こった際に分泌が盛んになる特徴を持ち、抗炎症や軟骨を保護する働きがある成長因子。線維芽細胞や上皮細胞に分化し、組織の再生を促します。関節炎や肺疾患などの治療に効果が期待されています。

LIF(白血病抑制因子)

  • 血小板産生促進作用

元々は白血病細胞を最終分化に導くとして知られていた成長因子。研究により血小板の増加作用も期待できることが明らかになりました。

PGE2(プロスタグランジンE2)

  • 育毛・発毛

末梢血管の血流を改善することが期待される成長因子。毛上皮細胞の増殖を促すことによる育毛や発毛、表皮細胞の増殖を活性することによる傷の治癒促進に関わることが期待されています。

TPO(造血因子)

  • 血小板増加作用

肝臓や骨髄で産生される成長因子。血液に関わる細胞の分化を促し、血小板を増加させます。化学療法などによって血小板が減少してしまった場合の治療などにも応用されています。

カインくん(「よくわかる幹細胞治療 ステムセル百科」レポーター)
カインくん

培養上清液に色んなパワーがたっぷり込められてるんだね。じゃあどんなお悩みに効果があるんだろう!?

幹細胞培養上清液で効果が期待できる疾病・悩み

糖尿病や腎臓病・肝臓病などの内臓疾患

幹細胞培養上清液は、投与すると体内をめぐり、傷んだ組織や器官に反応して、その部位の修復・再生に働きます。

糖尿病であればインスリン分泌機能が障害されている膵島β細胞や、合併症で炎症が起きやすくなっている血管内皮細胞、腎臓や肝臓などの臓器では機能障害が起きている部位に存在している幹細胞に働きかけ、疾患の予防や改善のための補完療法として応用されています。

糖尿病に対する臨床データ

C&G銀座クリニックとAD.Stem Cellの研究による幹細胞培養上清液の糖尿病への効果(血糖値とインスリン値の変化) AD.Stem Cellによる糖尿病患者6名への治療データ

幹細胞培養上清液の糖尿病に対する効果を、C&G銀座クリニックの培養施設AD.Stem Cellの臨床データから確認してみましょう。

糖尿病患者6名に幹細胞培養上清液を投与。投与前後の血糖値とインスリン値を比較したところ、投与後に血糖値は平均175mg/dlから146.5mg/dlへ減少。インスリン値は、29.5μU/mlから215.0μU/mlまで上昇がみられました。

幹細胞培養上清液が、糖尿病に関わる糖代謝改善に作用することが分かります。

免疫

幹細胞培養上清液に含まれている成長因子には免疫制御作用があり、IL-7を中心とした成長因子が、アレルギー疾患や自己免疫疾患の症状緩和に役立つことが期待できます。

関節の疼痛緩和など整形分野

EGF、TGF、IGF-1、PDGF、VEGFなど抗炎症や損傷組織の増殖・再生に働く成長因子により、股関節やひざなどの関節の変形や損傷の改善・緩和が期待されます。患部に局所注射する方法での治療が基本です。

美容・エイジングケア

老化によるシワやたるみなどのエイジングケアには、コラーゲンやエラスチンを分泌する線維芽細胞に働きかけるFGF、PDGF、IGF-1や新しい皮膚細胞を形成するEGF、VEGFなどの成長因子が中心となって作用し、シワやたるみなどの改善が期待されています。

育毛

AGAや薄毛など髪の毛に関するお悩みには、IGF-1やPDGF、HGFなどの成長因子が作用します。

毛母細胞の血行を促進し、栄養を行き渡らせることで頭皮のコンディションを改善し、髪の毛のお悩みにアプローチするようです。

不妊

従来の不妊治療の効果が出にくい方は、再生医療も選択肢の一つとしてあります。
幹細胞培養上清液に含まれる成長因子のうち、EPOやFGF2、IGF、VEGFなどが正常な卵胞の発育や精子形成を促進するといわれています。

C&G銀座クリニック院長大森隆史先生(「よくわかる幹細胞治療 ステムセル百科」監修)
大森隆史先生

髪の毛や体の組織・器官そのものを再生するのではなく、それぞれの部位に存在している幹細胞の成長を促進するのが幹細胞培養上清液の役割です。つまり、もともと患者さんが体内に持っている幹細胞の力を活かした治療といえますね。

今後の幹細胞培養上清液の効果

C&G銀座クリニック院長大森隆史先生(「よくわかる幹細胞治療 ステムセル百科」監修)
大森隆史先生
さらに幅広く治療対応ができるかもしれない

幹細胞培養上清の治療効果を日々研究するなかで、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が減少する事例を発見しました。

これをきっかけに、糖尿病合併症や動脈硬化、骨粗しょう症、皮膚の老化、アルツハイマー病、ガンへの効果が将来的に見込めるのではと考え始めました。

AGEs減少で幅広い疾病へアプローチできるかもしれない

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは、ヘモグロビンの糖化の割合を表す数値です。タンパク質の一種であるヘモグロビンと糖が合体したこととなります。つまりHbA1cの低下は、糖化を軽減させたということ。

AGEsという終末糖化産物と呼ばれる物質があり、糖尿病の合併症や動脈硬化、骨粗しょう症、皮膚の老化、アルツハイマー病、ガンなどの疾病の発症に起因することが分かっています。

AGEsもHbA1cと同じく、糖分(ぶどう糖)とタンパク質が合体したもので、1度合成されると分解はできないとされてきました。

ただしHbA1cが幹細胞培養上清液で軽減できたのなら、AGEsも分解が可能なのかもしれません。それが立証されれば、幹細胞培養上清液はより一層多くの治療に活用できます。

C&G銀座クリニック
痛み・しびれなどの関節痛・神経痛・筋肉痛、糖尿病の合併症などに対する治療に取り組んでいます。

引用元:https://cg-ginza.jp/medical/

C&G銀座クリニックでは、デトックス療法・サプリメント等を用いて、疼痛緩和、糖尿病の合併症、免疫疾患などさまざまなお悩みに対し、治療を行っています。

所在地 東京都中央区銀座2丁目8-19FPG links GINZA 4・5階
アクセス 地下鉄有楽町線「銀座一丁目駅」より徒歩1分