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培養幹細胞治療と糖尿病

近年、再生医療の研究が進歩したことにより、これまで根本的な治療法が確立されていなかった疾患の中には新たな治療法が発見されたものもあるようです。その1つが「糖尿病」。ここでは、幹細胞治療による糖尿病治療法について、その効果などをC&G銀座クリニックの監修のもと、より詳しくわかりやすくご紹介します。

糖尿病に対する幹細胞治療の確立

幹細胞治療とは、様々な組織や器官に成長する力を持つ幹細胞を自身から採取、培養し、再び体内に投与することで、細胞の修復や機能回復、活性化させる再生医療です。

国内において幹細胞などを用いた再生医療を行う場合には、厚生労働省からの認可が必要となっています。これは、先進的で非常に繊細な治療を行う再生医療には高度な技術や安全性が求められるためです。

厚生労働省からの認可には、第一種から第三種まであり、糖尿病の幹細胞治療の場合には、第二種再生医療等提供計画番号を取得する必要があります。

カインくん(「よくわかる幹細胞治療 ステムセル百科」レポーター)
カインくん

厚生労働省に認められている治療法なんだね。

2型糖尿病へ期待される幹細胞治療の効果

食生活などの生活習慣や体質が関連して発症する2型糖尿病の一般的な治療は、「食事療法」「運動療法」「薬物療法」「インスリン注射」などが基本とされています。

糖尿病の程度によって、これらを適宜組み合わせながら、血糖コントロールを行っていくことになります。

高血糖状態が続くと、血管がもろくなったり、神経が障害されたりすることによって、様々な合併症を引き起こしてしまうため、糖尿病治療においては血糖コントロールは非常に重要なものなのです。

しかし、毎日一生懸命治療に取り組んでも、血糖コントロールがどうしても不安定になってしまったり、思うように治療効果が得られなかったりする患者さんもいます。

幹細胞治療はこういった症状でお悩みの糖尿病患者さんを対象とした再生医療です。

膵臓の機能改善

幹細胞治療による糖尿病治療は、従来のように症状に対処するものではなく、糖尿病の原因そのものにアプローチするのが特長です。

糖尿病の原因の1つに、血糖をコントロールするインスリンを作り出す膵臓の機能低下が挙げられます。

幹細胞治療は、機能低下が生じている膵臓の細胞を修復したり、活性化させたりすることによってインスリンの分泌を正常に近づけ、血糖コントロールを改善させることが期待されているのです。

血管を修復し、インスリンの吸収率を上げる

糖尿病には、もう一つ大きな原因があります。インスリンの分泌自体は正常であるものの、そのインスリンを十分に作用させられない(インスリンの反応性が低い)というものです。

インスリンの反応には血管の状態が関わっており、幹細胞治療を行うことで、点滴によって投与された幹細胞が全身を巡り傷んだ血管を修復、インスリンの吸収率を高めることが期待されています。

1型糖尿病へ期待される幹細胞治療の効果

1型糖尿病とは、過剰な免疫反応などによってインスリンを分泌する膵臓の細胞が損傷してしまい、インスリンがほとんどもしくは全く作り出せないために発症する糖尿病です。

インスリンが絶対的に欠乏してしまうため、1型糖尿病の治療には、インスリン注射が必須となります。

糖尿病に対する幹細胞治療では、膵臓の細胞を修復したり、機能回復したりといった治療効果が期待できますが、現段階ではまだ治療適応とはなっていません。

膵島β細胞の再生の可能性

インスリンは、膵臓の中の膵島という部位にあるβ細胞で作り出されています。1型糖尿病は、このβ細胞が過剰な免疫反応によって傷害されたことが原因です。

現在、世界中の再生医療分野で1型糖尿病の根本的な治療法の研究が進められていて、2019年に発表されたカリフォルニア大学の論文によると、インスリンを分泌するβ細胞の修復には、β細胞が分布している膵島そのものの機能を回復させることにより、結果としてβ細胞の修復につながるということが判明したようです。

まだ、研究段階ではありますが、幹細胞治療によって膵臓幹細胞を分化させ、そこから膵島の機能を回復、β細胞の再生につながれば、将来的に1型糖尿病は根治できる疾患となるかもしれません。

C&G銀座クリニック院長大森隆史先生(「よくわかる幹細胞治療 ステムセル百科」監修)
大森隆史先生

再生医療が注目されるようになったきっかけの1つはiPS細胞ではないでしょうか。しかしながら、素晴らしい能力をもつiPS細胞はまだ再生医療に実用化は難しいのが現状です。そうした中で、様々な医療分野での治療が確立しはじめているのが幹細胞治療。iPS細胞のように万能ではありませんが、様々な疾患やお悩みの治療が可能となっています。幹細胞に含まれる成長因子によって作用が違うので、ぜひ注目してみてください。

糖尿病に働く成長因子

VEGF(血管内皮増殖因子)が血管の修復に働く

VEGFが血管内皮を増殖させることで、糖尿病網膜症進行抑制の鍵となる血管新生・血管透過性を促すことが明らかになっています。

HGF(肝細胞増殖因子)が膵臓幹細胞の機能回復に働く

膵島細胞をEGFやbFGFなどの成長因子と共に培養したものにHGFなどを作用させると、インスリン陽性細胞に分化することが明らかになっています。

IGF-1(インスリン様成長因子)が血糖低下に働く

インスリンに似た代謝活性をもつIGF-1は、糖尿病治療薬として期待されている成長因子です。1型にも2型にも分類されない特殊な糖尿病を発症(インスリン受容体異常症)の治療薬として応用されており、良好な成績が得られています。

TIMP(MMP阻害因子)が腎糸球体細胞の修復に働く

TIMPは、糖尿病性腎症による腎糸球体細胞の分解に関わるMMPの働きを抑制することが明らかになっています。

FGF(線維芽細胞増殖因子)が組織再生に働く

糖尿病で起こりやすい歯周病における歯周組織再生の検討で、FGF-2が細胞増殖を促し、血管新生を制御することで歯周組織の治癒を促進することが明らかになっています。

EPO(エリスロポエチン)が腎機能低下予防に働く

貧血を伴う糖尿病患者では、EPOレベルが低いことが、将来的な腎機能低下に影響を及ぼすことが明らかになっています。そのため、貧血や腎機能低下の予防としてEPO投与の効果が期待できるとされているようです。

PGE2(プロスタグランジンE2)が高血糖抑制に働く

糖尿病患者では、腎臓でのPGE2産生亢進が生じやすく、これが病態に深く関与することが明らかになっています。

成長因子でどれだけ糖尿病に効果があるのか

糖尿病への効果を、成長因子たっぷりの幹細胞培養上清液の治療データでみる

幹細胞には様々な生理作用をもつ成長因子が含まれており、その働きが糖尿病の治療に応用されています。

現在、糖尿病の治療として行われている再生医療は幹細胞治療の他、幹細胞培養上清液による治療があり、治療効果は幹細胞治療と同等でありながらも、幹細胞採取の負担や培養にかかる時間が必要ないことや、副作用が少ないことなどから注目されている治療法です。

当サイト監修のC&G銀座クリニックで実施された幹細胞培養上清液による糖尿病に対する臨床試験データをご紹介します。

C&G銀座クリニックとAD.Stem Cellの研究による幹細胞培養上清液の糖尿病への効果(血糖値とインスリン値の変化) AD.Stem Cellによる糖尿病患者6名への治療データ

2型糖尿病患者に幹細胞培養上清液を点滴投与した際の、血糖値とインスリン値を治療前後で比較してみると、平均して血糖値が約30mg/dl低下、インスリン値が約185μU/ml上昇という結果が得られました。

この結果から、幹細胞培養上清液が膵臓幹細胞に作用しインスリンの分泌を促進、あるいは血管のコンディションを整えたことによるインスリン反応性の増加などにより、血糖値がコントロールされたものと考えられます。糖尿病の新たな治療法として幹細胞培養上清液の応用が期待されるといえそうです。

C&G銀座クリニック院長大森隆史先生(「よくわかる幹細胞治療 ステムセル百科」監修)
大森隆史先生

幹細胞を用いた治療は、方法が確立されつつある再生医療です。幹細胞治療と幹細胞培養上清液は治療プロセスに違いはありますが、どちらも同等の効果が期待できるので、希望する際には、より自分の希望に沿った方法を選ぶとよいかと思います。

C&G銀座クリニック
痛み・しびれなどの関節痛・神経痛・筋肉痛、糖尿病の合併症などに対する治療に取り組んでいます。

引用元:https://cg-ginza.jp/medical/

C&G銀座クリニックでは、デトックス療法・サプリメント等を用いて、疼痛緩和、糖尿病の合併症、免疫疾患などさまざまなお悩みに対し、治療を行っています。

所在地 東京都中央区銀座2丁目8-19FPG links GINZA 4・5階
アクセス 地下鉄有楽町線「銀座一丁目駅」より徒歩1分